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2023/08/08
旅館の人材不足が加速する原因とは?対策や解消のコツを徹底解説!ホテルや旅館の宿泊業は、人材不足の業界であるという認識が広まっています。実際、多くのホテルは人材不足に悩まされており、従業員数に対して顧客が多く、仕事が回らないというケースも多いです。
本記事では、旅館の人材不足事情についてのデータを示すとともに、旅館が人材不足に陥ってしまう原因や有効的な対策などについて詳しく解説します。旅館の人材不足に頭を抱えている経営者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
旅館が深刻な人材不足に陥っているという話をよく聞きます。しかし、実際のところどの程度困っているのか知らないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、実際のデータをもとに旅館の深刻な人材不足について見ていきます。
PRTIMESが実施した「人材不足に対する企業の動向調査(2022年10月)」によれば、正社員の人材不足の割合(上位10業種)のデータで旅館・ホテル業界は2位となっています。
この調査では、2020年10月分からデータが公開されており、新型コロナウイルス禍によって各業界が悩まされていた2020年10月は40.5%の人材不足に悩まされていたのに対して、同調査が行われた2022年10月には、65.4%まで上昇しています。つまり、データを参照すると、コロナ禍の時よりも深刻な人材不足に陥っていることがわかったのです。
また、非正規雇用の人材についても見ていきましょう。こちらも同様の調査であり、調査結果は2020年10月分から3年分記載されています。2020年10月には、旅館・ホテルの人材不足の割合が38.2%でした。
しかし、2022年10月には75.0%になっており、非正規雇用社員の人材も不足していることがわかります。こちらも収集されているデータにおいて全業種の中で2位を示しています。つまり、上記で示した正社員の人材不足データと照らし合わせると、旅館は慢性的な人材不足に陥っていると考えることができるでしょう。
旅館が人材不足に陥ってしまうのには、どのような原因があるのでしょうか。ここでは、人材不足に陥ってしまう原因を4つ紹介します。
1つ目の原因は、感染症蔓延による業界志望者の減少です。大前提として、ホテル業界はコロナウイルス蔓延によって大打撃を受けており、そもそも利用者自体も少ない傾向にあります。
しかし、同様に多くのお客様と関わるスタッフ自体を目指す方も少なくなっており、人材不足に陥ってしまっているという現状があります。特に、海外からの旅行者が感染症を持ってきてしまうことに対してリスクを感じる従業員の方も多く、コロナウイルス蔓延が原因でホテルを辞める方もいるほどです。
2つ目の原因は、低賃金・長時間労働が慢性的になっていることです。事実、大手転職サイトが実施しているホテルのフロント業務は「販売/サービス」に分類され、平均年収は男性357万円、女性296万円となっています。
参照:https://doda.jp/guide/heikin/syokusyu/#anc_job_11
この年収は、他の職種と比較しても圧倒的に低く、専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人) と比較すると200万円以上も年収に差があります。このこともホテル・旅館業界の離職率に影響を与えていると考えられます。
3つ目の原因は、過酷な労働環境です。ホテル業界は慢性的な人材不足に過去何年も悩まされており、その結果1人の従業員が担当する業務が膨れ上がってしまうという問題が発生しています。
そのため、休日日数が少なくなり、過酷な労働環境に強いられる事が多いのです。事実、厚生労働省が示している調査によれば、宿泊業における1企業あたりの平均年間休日日数は97.1日。他の業界と比較しても少ない水準となっています。
慢性的な体の疲労が心身の健康に被害を及ぼし、会社自体をやめてしまう方も多いのです。このことも離職率を上げている理由として考えられるでしょう。
4つ目の原因は、不規則なシフトです。ホテル業界は24時間営業していることも多く、従業員の多くが一般的にはシフト制となっています。そういった労働環境の場合、シフトが夜勤に組み込まれたり、繁忙期に残業が増えたりと、従業員の負担が増加してしまいます。
そういったことから体調を壊してしまい、会社自体をやめてしまう人も少なくないのです。
ここまで、旅館が人材不足に陥りがちな理由について紹介してきましたが、対策はあるのでしょうか。結論を先にお伝えすると、旅館の人材不足を解消する対策はあります。
ここでは、旅館の人材不足を解消する有効的な対策を5つ紹介します。
1つ目の対策は、ITで労働環境を改善することです。ホテル業界は、客室管理や予約、清掃、フロント業務など対応する仕事が多岐に渡ります。それらの業務を全て人が担当していれば、人材不足に陥るのも当たり前です。
そういった問題を解消する方法の1つとして、ITを駆使することがあげられます。例えば、予約用客室管理を一元化できるPMS(Property Management System)や、フロント業務であるチェックインを顧客が自分自身で行えるスマートチェックインなどを導入することで、人材に頼らないホテル運営が可能となります。
もちろん、管理システムなどを導入するには最低限の費用がかかりますが、従業員の生産性が向上するだけでなく、人材不足に陥ったとしても安定的に旅館を運営できるというメリットがあるため、導入を検討してみると良いでしょう。
2つ目の対策は、従業員を増やすことです。従業員が辞めない工夫を施すことも重要ですが、その前に、現在の人材不足状況を少しでも改善することが求められます。そうして様々な部分に目を配ることで、人材不足解消の糸口をつかめる可能性があるからです。
とはいえ、従業員数を増やすには多くのコストがかかってしまいます。場合によっては、従業員向けの採用広告を使用するなど、採用コストが発生するケースもあります。そういった時におすすめなのは、自社に最適な人材を紹介してくれる人材派遣サービスの活用です。
旅館業界に強い人材派遣サービスを活用することで、スピーディーに人手不足を解消できるでしょう。また、派遣サービスなら期間限定で採用を行えるため、予想以上にコストが膨れ上がる心配もありません。
3つ目の対策は、誰もがわかるマニュアルを作成することです。旅館業界の離職率が高い原因の1つとして、業務を覚えるまでに多くの時間を要するということが考えられます。その結果、従業員に負担がかかり、離職率を高めてしまいます。
しかし、誰もがわかるマニュアルを作成しておけば、それを見るだけで業務をある程度こなすことが可能です。そういった仕組みを作るだけで、社員ではなくアルバイトを採用する選択肢も見えてくるため、離職率改善に大きく役立つのではないでしょうか。
もちろん、マニュアルを作成するには時間がかかりますので、マニュアル作成業務以外の部分も同時並行で行うことをおすすめします。
4つ目の対策は、給与を改善することです。給与改善を行うことで、従業員は仕事に対して高いモチベーションを保つことができ、離職率低下につながります。また、他の旅館よりも高い給与に魅力を感じた方が、入社してくれるかもしれません。
ただし、給与改善や賞与額の見直しはすぐにはできない可能性があります。その場合は、インセンティブを導入し、従業員の頑張りを給与として反映できる仕組みを作れば、業務負担が増える繁忙期でも高いモチベーションで仕事を行ってもらえます。
具体的には、「土日出勤で時給+50円」「〇日出勤で1万円支給」などインセンティブを増やすことを検討してみてください。
5つ目の対策は、働きやすい職場を作ることです。従業員の定着率を高める上で、長時間労働を改善することは最も重要な心がけだといえます。例えば、パートやアルバイトの方を採用し、現在従業員が入っているシフトの負担を軽減したり、前述したようにITを導入して業務負担を軽減したりする方法があります。
このように、働きやすい仕組みを作ることで従業員が働くことにメリットを感じれば、離職率を低下させられるかもしれません。また、シフトを固定制にし不規則な勤務を減らすなど、従業員の負担を軽減する工夫も必要です。
本記事では、旅館の人材不足事情についてデータを示すとともに、旅館が人材不足に陥ってしまう原因や有効的な対策などについて詳しく解説しました。旅館は深刻な人材不足に陥りがちで、その解決の糸口を思いつけないと悩む方も多いでしょう。実際、どこから始めればよいかわからず、頭を抱えている経営者も少なくないはずです。
人材不足解消には、まずは良好な職場環境作りが不可欠になります。ぜひ本記事の内容も参考に、旅館の人材不足を改善してみてください。
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