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2021/02/19

デリバリーの次の活路は朝。外食は夜明けで勝負!

 外食の今できる新らしい常識は朝ラー(ラーメン)、朝肉(焼肉)、朝ファミレス、朝ファストフード、朝酒場(居酒屋)等々

 緊急事態宣言発出下で夜の時短営業が求められている時勢に対応し、朝食需要を取り込む動きに本腰を入れ始める外食企業が増えてきた。

 テイクアウトにも強いファストフード(FF)をはじめ、焼肉業態、居酒屋、ラーメン店など幅広い業態で手がける動きが拡大している。

 

【朝肉 好調「焼肉ライク」がまたまた打って出た】

 「朝焼肉」メニューの販売店舗を拡大しているのは、ダイニングイノベーショングループの焼肉ライクが運営するファストフード焼肉店「焼肉ライク」だ。

 昨夏ごろから東京の「新橋本店」と「田町芝浦店」で開店時間を早めて「朝焼肉」を提供していたところ、自治体による時短要請もある中でこのほど実施店舗を拡大。

 1月20日からは神奈川の「横浜鶴屋町店」と大阪の「天満橋店」が加わり、計13店舗で「朝焼肉」を提供している。

 販売する〈朝焼肉セット〉税別500円は、バラカルビ100gにごはん(お替りサービス)、スープ、味付海苔のほか、選べる生玉子かキムチがセットになったもの(新橋本店と田町芝浦店はメニュー内容異なる)。

 販売時間は10~11時(新橋本店・田町芝浦店など一部店舗は異なる)で、月曜から土曜は7時から、日曜は8時から営業する「新橋本店」では11時までの朝食時間帯に「朝焼肉」以外のメニューも含め「50食くらい出る日もある」(ダイニングイノベーション)という。直営は全店「朝焼肉」を導入済みで、今後の実施店舗拡大も視野にある。

 

【「松屋」は「朝弁当」好調で販売店舗数拡大、メニューを追加】

 テイクアウト弁当で朝食需要獲得を強化するのは、松屋フーズが展開する牛めし・カレー・定食の「松屋」だ。

 1月20日から、1都3県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の駅前商店街などで営業する266店舗で、初の朝食向け弁当を発売した。

 「松屋の朝弁」として〈さらっと牛皿朝弁当(みそ汁付)〉330円(税込・以下同)と〈ふあとろあんかけ朝弁当(同)〉390円を販売する。販売は5時から11時で、家庭やオフィスでの利用を見込んだ。

 これが好評を博し、2月23日からは販売店舗を全国536店舗に拡大。〈定番朝弁当(同)〉360円と〈ソーセージエッグ朝弁当(同)〉420円をラインナップに追加した。

 「松屋」では「弁当需要が高まっている」(松屋フーズホールディングス)といい、売上に占める直近のテイクアウト比率は約40%。テイクアウト強化の一環で朝食市場への取り組みを強化している。

 

【居酒屋「大衆きたぎん!」も朝定食】

 居酒屋業態で朝食提供に乗り出す動きもある。GYRO HOLDINGS傘下のパートナーズダイニングが運営する大衆酒場「大衆きたぎん!」(東京・有楽町)は、1月12日から開店時間を8時に前倒しして〈5種の小鉢の朝定食(お茶漬けお出汁付き/ごはん、タラコ、漬物食べ放題)〉税込500円の販売を始めた。

 販売は11時までで、直近の1日当たり販売数は10食弱ほど。「女性客が多く、徐々に(販売数が)伸びている」(パートナーズダイニング)という。

 

【「一風堂」は朝ラーや朝がゆを提供】

 力の源ホールディングスは主力の豚骨ラーメン店「一風堂」で、平日限定で朝食時間帯も営業するとともに専用メニューを提供する動き。

 2月2日から「一風堂 浅草橋本舗」(東京・浅草橋)限定で始めたところ、「想定したよりも良い集客状況となっている」(同社)ことからほかの店舗にも拡大しており、現在は計5店舗で実施している。

 商品は豚骨スープで炊いた帆立の貝柱などの旨みとともに楽しませる、〈とんこつコラーゲンおかゆ〉税込500円と、煮干しの出汁をきかせた〈あさだ!ラーメン〉同。

 

これまで、外食における朝食メニューといえばFFやファミリーレストラン、カフェなどが主体。コロナ禍での売上高底上げに向けて、専門店や居酒屋などさまざまな業態が、朝食時間帯の活用を視野に入れている状況がある。

【意外に多い?「朝外食」をする人は4割(ぐるなび調べ)】

 「三密を避けつつ、外食はしたい。朝ならそれができる」という需要にマッチして、これらの「朝メニュー」は増えつつあるようだ。それを裏付ける調査結果も出てきた。

 ぐるなびは、2月10日~11日の期間に全国の20~60代のぐるなび会員1000人を対象に、朝時間帯の外食「朝外食」について調査した。

 それによると、月に1回以上「朝外食」をするのは全体の20.1%。月1回以下でも20.9%と、約4割が「朝外食」をしていた。

 月に1回以上では20代女性が28.3%、30代男性が31.6%、50代男性が30.1%と、やや高い傾向がみられた。

「朝外食」をする人のうち、平日の「朝外食」が多いのは60代男性で40.5%、休日は20代男性で71.8%と突出していた。40代女性は30.6%が平日・休日両方で「朝外食」をすると回答した。

「朝外食」をするお店のジャンルは、平日休日ともに「カフェ・喫茶店」が1位で40%以上、続いて「ファストフード(平日休日ともに約35%)」「ベーカリー(平日休日ともに約24%)」と軽食が人気。

「朝外食」をする相手は、平日は64.8%が「一人」、休日は54.5%が「家族」が最多。また、今後「朝外食」をしたい人は34.8%という結果だった。

 コロナ禍においても人々の外食への欲求は決して減らない。

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